免疫システムが暴走するしくみ

勘違いでアレルゲンが作られる

正しく免疫システムが働いてくれていれば、
体はとても調子がよく、ちょっとした病気にも
対応できる素晴らしいシステムを備えていることが解りました。

しかし、それでも、アレルギー反応は
実際に起こってしまいますよね。(-_-;;

それはなぜかと言うと、免疫システムの情報伝達が完璧すぎて、
例えば、免疫システムの歯車がひとつ狂ってしまうと、
全てが崩れてしまうという、大きな欠点があるからです。

具体的に言うと、そう、最初に抗原に立ち向かうマクロファージ。
このマクロファージからの情報に、
万一間違いや勘違いがあったとしたら…?!
その後の細胞たちの動きが全て狂ってしまいますよね。

これが、アレルギー反応の一番の原因です。

消化器が未熟で分解が上手くいかなかった食品や、
花粉、ダニ、ハウスダスト、これらは異物ではありますが、
細菌やウィルスほど悪さはしません。
マクロファージが素直に食べてくれれば問題ないのですが、
細菌やウィルスとよく似た風貌(たんぱく質の分子構造)であった場合、
異物と判断して、Th2細胞に助けを求めてしまうことがあります。

しっかりしてよ…、マクロファージ…!(-"-;)

ここで間違って異物と判断されて、
アレルギー反応の原因となる物質になってしまったものを
「アレルゲン」といいます。

Th細胞のバランスが崩れる

アレルゲンが侵入したとマクロファージから要請があると、
アレルゲンに対する抗体を作るために、
Th2細胞は張り切ります。

Th2細胞は武器となる抗体の設計図をいそいそ作っては、
B細胞に抗体の準備と攻撃指令を出します。

マクロファージの間違った情報を元に…です。(TωT)

このとき、Th1細胞がTh2細胞の張り切りすぎを
抑える役目をしているのですが、
Th1細胞は、Th2細胞の尻にひかれ気味なところがあって、
押さえきれなくなることがあります。

特にアレルギー体質の方は、
このTh1細胞が優しすぎる傾向があるようで、
結果、Th2細胞が好き放題にすることにより、
過剰に抗体を作ってしまうのです。

Th1:「Th2…も、もう作らなくてい、い…うっ」
Th2:「IgEをいっぱい作れ!!ふははははは…!!!」

そして、B細胞は、IgEという種類の抗体を
ひたすら作りつづけるのです。

B細胞は作りすぎた抗体を持て余す

ここまで、マクロファージの勘違いと、
Th1細胞が止められなかったTh2細胞の暴走によって、
B細胞はたくさんの武器を作ることが出来ました。

B細胞は、アレルゲンを一気にやっつけよう!と、
一気に攻撃にかかります!

しかし、元々無害なアレルゲンであるため、全く利きません。
どれだけ攻撃しても、アレルゲンが無力化することがないのです。

あたり前ですよね、もともとは勘違い…。

こうなってしまったら、B細胞は過剰に作りすぎた武器を
IgE抗体は、使うこともなく、体内でただ、持て余してしまう結果となるのです。

余った抗体がマスト細胞に定着

さて、大量に作られたIgE細胞は、血液中を浮遊しながら、
どこかいい格納庫を探して、フラフラとしています。

そして「お!ピッタリな場所があるぞ!」と見つけたのは、
皮膚や鼻、気道の粘膜など、カラダの表面に近い場所に生息する
マスト細胞と言う細胞です。

マスト細胞は化学物質が
雪だるまみたいにたくさん固まった細胞です。

またの名を、肥・満・細・胞…。

うっ…、耳が痛い…(=_=;;)

なぜちょうどいいかと言うと、このマスト細胞は親切なことに
ちょうどIgE細胞が、ピッタリハマるカタチの穴が開いています。
そこに、上手に収まって、落ち着くのです。

これを「感作(かんさ)」といいます。

めでたしめでたし!と思った方!そうは行かないですよ。

コレがアレルギーが起こる一歩前、
あとは…スイッチをポチッと入れれば、アレルギー反応が起こる、
一触即発状態なのです。

アレルゲンの侵入でマスト細胞が大暴れ

ここまできたら、アレルギー反応が起こる準備が整いました。
後は、アレルゲンが体内に入ってきたタイミングで、
アレルギー反応が起こります。

再び、アレルゲンが体内に入ると、
IgEと感作したマスト細胞にくっつきます。
カラダの表面に近いところにいるのですから、
どうしても引っかかりますよね。

するとアレルゲンは、マスト細胞の表面にくっついている
IgE抗体同士を、わざわざ繋げて回るのです。

これを「架橋(かきょう)」といい、
これによってマスト細胞は刺激され、暴れ始めます。

マスト細胞が暴れ出したら、もう止まりません。(>_<)

マスト細胞の中にある化学物質が放出され、
さらには別の化学物質を作り出し、
これもマスト細胞からどんどん放出されます。
さらには、お祭り好きの好酸球が、
大暴れしているマスト細胞に便乗し、化学物質を出します。

これらの細胞が出す化学物質こそ、
アレルギー症状の原因なのです。

化学物質でアレルギー反応発症

マスト細胞が暴れた結果、たくさんの化学物質が作られ、
体がアレルギー反応を起します。

もっと具体的に見てみると、
マスト細胞の中にあるヒスタミンやセロトニン、
ロイコトリエンなどの化学物質を放出するのですが、
これらの化学物質は体に害を与えるものばかり。

そう、マスト細胞が存在している場所といえば、
皮膚や気道の中、鼻の中などの粘膜ですよね。
そこで攻撃活動をするために、結果、炎症を起します。

ですから、アレルギー反応が起こると、
鼻水が止まらなかったり、咳が出たり、皮膚炎などの症状が
引き起こされるということになります。

アレルギーが起こる一連のしくみ、
お分かりいただけましたでしょうか?(^^)

アレルギー反応が慢性化する原因

アレルギー反応はマスト細胞が大暴れするタイプが
全てではありません。
マスト細胞が大暴れしている傍らで、
便乗していた白血球を覚えているでしょうか?

そうですね、好酸球です。
本来は、感染細菌やガンなどの異物細胞を食べています。

しかし、Th2細胞の過剰な働きかけや、
マスト細胞の大暴れによって出された信号が、
好酸球に対して、強い刺激物を出すように指示が出ます。

出さなくていいのに出してしまうんです…。
悪循環が止まらない。(>_<)

この結果、より強いアレルギー反応を起すことになり、
炎症はひどくなる一方です。
さらには、慢性化を招く悪循環に陥ってしまうのです。

アレルギーの4つのタイプ

アレルギー反応が起こるしくみは、
免疫システムを支える色々な細胞の勘違いや誤作動が
いくつも重なって起こる症状でしたよね。

ここまではバッチリですよね。(^^)

乳幼児に特に多いタイプのものは、
IgE抗体が原因で起こる即時性の?T型と呼ばれるものですが、
他にも、他の抗体が原因になっているアレルギーがあり、
それぞれ、?U型、?V型、?W型とタイプ分けされています。

それぞれの特徴を紹介しておきますね。

<?T型(即時型)・原因となる抗体:IgE>
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息など。
アナフィラキシー反応とも呼ばれる。

<?U型(即時型)・原因となる抗体:IgM、IgG>
自己免疫性溶血性貧血、紫斑病など。

<?V型(即時型)・原因となる抗体:IgG>
全身性エリテマトーデス、血清病など。

<?W型(遅延型)・原因:マクロファージ、T細胞>
接触性皮膚炎、結核、症状が出るのが遅い食物アレルギーなど。

抗体の特徴をおさえよう

アトピー性皮膚炎などを引き起こしている抗体は
IgE抗体でしたよね。

この他にも、IgG、IgMなど、
今まで色々な抗体の名前が出てきましたね。

抗体には特徴があり、それによって
大きく5つ種類にわけることができます。

これらの抗体は、アレルギー検査をする時に、
血液検査で測定して、数値として見ることができます。
それぞれがどのような役目を持っているのか知っておくと、
血液検査の結果を、ある程度自分で分析し、
見ることができるようになりますよ。

IgE:
 寄生虫駆除を担当する抗体、強い力を持っています。
 アレルギーを引き起こす原因となります。
IgM:
 抗原の侵入に対して、一番最初に作られる抗体。
 新生児に特に多く見られます。
IgG:
 2番目に作られる抗体です。
 胎盤を通り抜けることができることから、
 赤ちゃんが母体から受け継ぐ免疫はコレです。
IgA:
 他の抗体があまりいない場所に存在しています。
 穏やかに抗原を退治します。
IgD:
 どのような働きをするかは未解明です。

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